鋼の心







そう言って、煙草を思いっきり
吸い込んだキャッシュは
目の色を変えた。


「そん…なっ…」

言葉を失ったルシュアは
ただ口元を抑える。


「妹の幸せを奪ったアイツ…。
妹の気持ちを踏みにじった…
奴だけは……如何しても
許せなかった。だから……」


奴は俺が撃つ……。
そう言ったキャッシュに…
ルシュアは何も言えなかった。


「ほぉ…。若造が…。
いっちょ前にドンを殺すだとよ。」

後ろから聞こえた、聞き慣れない声…。


ルシュアが勢い良く振り返ると
キャッシュがそんなルシュアを
庇うように前に立ちはだかった。





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