鋼の心
「っ…!!」
ドンッ!!
と、大きな音が部屋に響き渡る…。
ルシウスの拳は真っ赤に染まっていた…。
壁に大きく空いた穴が…
ルシウスの悔しさを物語っている。
「ルシウス?」
そう眉間に皺を寄せて
ダリムがルシウスに近寄った。
「マフィアのドンである我が…。
愛する女…一人、守れないとは…。」
くくくっ。と、喉の奥で笑うルシウス。
「…無力だ…。」
その表情は…いつになく悲しく…
皆も胸が痛くなった。