鋼の心







「花を一本くれないか?」

そうお客さんが来て…
姉のセラが接客に行った。


そのお客様の顔なんて、見るまでもない。


理由なら一つ。


「薔薇の花を一本。
首をへし折ってくれればそれでいい。」


近付いてくる足音も…
その声も…。
優しい手のぬくもりも。


前世の時のまま。

ルシウスだからだ。








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