鋼の心
(こういう気持ちの時は…
ピアノを弾きたいわ。)
そう思っても此処は…
…マフィアの本部。
楽器なんてあるはずは無いと、
また、ため息を吐いた。
「この建て物に…楽器などは
置かれていますか?」
一応の為、尋ねてみる…。
茶色の瞳と絡まりあった視線。
――――…恐怖は無かった。
「あぁ。」
そう短い返事で返された時…
思わずルシュアの顔が緩んだ。
「何階ですか?」
自然と笑みが漏れる顔。
ビオはバンッ!と
15階のボタンを押した。