鋼の心
開いていくエレベータのドア…。
もう少しで通り過ぎる所だったらしく
ドアが開くのはありえないほど早かった。
外へ出れば…大きな会場のような部屋に
ポツンと、グランドピアノが置いてある。
ルシュアは思わず、早足に駆けより…
鍵盤に指を乗せた。
ポーンッ…。
そう綺麗に響く音。
……手入れはしているらしい。
ルシュアはそっと両手を鍵盤に乗せた。
そして…指を動かす。
失恋を表現した曲。
久しぶりに弾いても…
手はそほど鈍ってはいなかった。