鋼の心
気付けばルシュアは…
ビオの後ろに回り込み
彼の腕をしっかりと握っていた。
「近付かないで!」
そう発したルシュアの声は
微かに震えていたのだ…。
「なんと言う事でしょう…。
ドンのパートナーに選ばれた御方が
他の男に懐いてしまうなんて。」
少し気に食わない。という顔を見せて
そう言い放った黒髪の男。
ルシュアは眉間に皺を寄せた。
「誰と仲良くしようと、私の勝手!
貴方につべこべ言われる
筋合いなんてない!」
冷たくそう言い放ち、
ビオを掴む手を強めるルシュア…。