鋼の心
「貴方と呼ばれるのは気に入りません。
セレナと御呼び頂けますか?お姫様。」
クスリとばかにしたように笑う
セレナの目は真っ黒。
(目が…死んでる…。)
ルシュアがそう思うのも
無理はなかった。
「それにしても…
可笑しな話ですよねぇ?」
そう先程とは違う笑みを浮かべて
その瞳でビオを捕らえるセレナ。
「あれだけ…数時間前は
この美しいお姫様を
侮辱していたというのに…
もう意気投合という訳ですか?
ねぇ…ビオ。」
ビオの頬に手を当てて
にっこりと笑う…。
しかし、
ビオは無表情のままだった。