鋼の心
「この女に情でもわきましたか?
…同じ過去を持つ者として。
外での発言は此処へ来させない為に…。
そして、中へ来た今は…
彼女を守る為に…。私には、
そう見えてならないのですがねぇ?」
くくくっと、喉の奥で笑うセレナは…
不気味そのもの。
ルシュアはさらにビオの後ろに隠れた。
「また無謀な事を考えているのですか?
この女のように…“復讐”を。」
「っ!?!?」
セレナの言葉に…
ルシュアは目を見開き
ビオの表情を疑った。
だが…やはり無表情のままのビオ。
(復讐…?ビオが…誰に?)
胸に膨らむ疑問の数々。
セレナはさらに頬を緩ませる…。