鋼の心








「ルシュア?忠告しておくが…
『あんな人間』などと、
奴を呼ばぬ方がいい。
いくらお前が美しくても…
命を食われるぞ?」

微笑んで言ったダリムに…
ルシュアは口を開いた。


「それを望んでいるから言うの。」


一瞬…部屋の空気が凍りつく…。


目を見開いたのは
やはり…ダリムの方だった。


「お前…今なんと?」

眉間に皺を寄せて
そう声を発するダリム。


「だから、死を望んでいると。」

ルシュアは何の躊躇いも無く、
平然と答えた。








< 49 / 222 >

この作品をシェア

pagetop