鋼の心






「ダリム、我の女に何用だ?」

いきなり聞こえた低い声に…
ルシュアは顔色を変え…
ガタガタと震えだした。


それに気付いたダリムは
首を傾げる…。





『何処へ行く?』



『気分が悪いので、
少し歩いてきますわ。…ルシウス様。』





あの日から…顔も見ていなかった。
数日…たった数日で…恐怖が増すなんて。


ルシュアは自分の包帯の
巻かれた手首を強く握った。









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