鋼の心
「何故ですか?
ガリムは、敵では無いのでしょう?」
震える声でルシュアは言う。
その時…
ガチャリ、という音と共に
額にひんやりとした物が当たった。
「その名を…我の前で呼ぶな。」
怒りを露にしたルシウスの声…。
ルシュアの額には…
拳銃が当てられていた。
「お前は…我だけを見ていれば良い。
他の男と言葉を交わすな。」
眉間に皺を寄せて…怒りを交えた声で
そう言うルシウス…。
死は怖くない…だが…。
ルシュアにとって…
ルシウスに拳銃を向けられるのは
恐ろしくてならなかった。