鋼の心
『人間の…逝き様を見た事があるか?』
『どれほど、プライドがある人間でも…
闇を目前にすれば…
地にすら頭を着けるのだ。
愚かな者は…苦しみ、息絶えればいい。
そうは思わぬか?女…』
あの日のルシウスの言葉…。
ルシュアはキッっと、
目を鋭くさせた。
「父を殺した人間も!
そう思ってたんだって!!
そう思ったら…
あの人の腰から拳銃を抜いて
その引き鉄を引きそうで…
怖かった。それが私の恐怖。
死よりも恐ろしい恐怖なの」
「ルシュア…」
ビオは眉尻を下げて…
暗い顔になった。
「もう…私は………」