鋼の心
踊り子…それは恐ろしいほどに
卑しい身分の者の役職。
男には逆らえない。
気にいられたら…
従うしかない。
たとえ、それが…
自分の貞操を奪う事になっても…。
そんな身分に自分を陥れた…男。
そして…父を殺した男よりも…
ルシュアが憎むのは……
ただ一人だった。
「だけど…、
あの人だけは…私の手で…。」
そう立ち上がったルシュアは、
置き直したはずの手裏剣を手にした。
大きく振りかぶり、
的目掛けて投げる…。