鋼の心
第二章
…真実…。
「ルシュアさん。」
ベランダに出ていたルシュアは
その声に驚き、振り返った。
「………無断で女性の部屋に入るなんて。
失礼ですわ。セレナ様。」
声をかけてきた人物はセレナ。
ルシュアはため息混じりにそう言うと
また、ベランダへ体を戻した。
部屋で、夕涼みをしていたルシュア。
セレナが部屋に尋ねて来る事は初めてで
少々、戸惑っていた…。
「それは申し訳ありません。
…少々、御時間を取らせて頂いても
宜しいですか?」
そんなセレナの声。
ルシュアは首を傾げ振り返った。