鋼の心







「……どうして…その名を貴方が?」

震える声でそう尋ねれば…


「さぁ…。」


と、答えるセレナ。


苛立ちを覚え、ルシュアは
セレナの額にぴったりと
銃口を当てつけた。


「その名は!踊り子になる前の名よ。
父から貰った大切な…。
私以外、知る者はいないわ。
だって………」

「皆殺しでしたもんねぇ?」

ルシュアの言葉を遮るその声に…
目を見開く…。


「どうしてそんな事まで貴方がっ!」

大声を上げたルシュアに…
満足そうな笑み…。


セレナはさらに顔を緩めた。










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