鋼の心








思わず涙がさらに量を増す…。
セレナはルシュアの頬に触れた。


「ルシウスは…
お前を守る為に発砲したと言うのに
踊らされていたお前は…
まるで悲劇のヒロインだな?」

クスクスと笑うセレナ…。
ルシュアは下唇をかみ締めた。


「…計画は失敗に終わったが。
ラミは役に立った。
まさか…命を落としてから
任務を遂行できたとは
思ってないだろうからな。」

ルシュアの頬を撫で続ける彼。



涙が止まらない……。



そして…、


「お前、……俺の女にならないか?」




その言葉で…ルシュアの
堪忍袋の緒は切れた。









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