三国志疾風録
 「36人じゃ物足りないが、賊相手なら殺してもいいよな関羽」

 「お前に全部くれてやる。私は狂戦士ではないからな。お前とは違う」

 張飛は唇を吊り上げてにやりと笑った。目が既に狂人のそれだ。

 手近にいた者を有無を言わせず剣で首を飛ばし、驚いて動けずにいた賊を返す刀で更に首を飛ばして剣に付着した血をべろりと舐める。

 「ククク。殺戮殺戮! 俺を楽しませ*★♀♂§!」

 「落ち着け! 相手は四人だ。まず男二人を殺して女は生け捕りにしろ!」

 一人だけ槍を持っているリーダー格の男が怒鳴った。
ある程度は統制のとれた動きを見せて、張飛を遠巻きに五人が囲み、後の者は関羽と周倉に向かった。

 「まずは裏切り者から死ね!」

 賊の一人が周倉に剣を斬り下ろした。

周倉が剣で受け止めるより早く、関羽の青竜刀が賊の剣をはね飛ばした。勢い余って周倉にぶつかりかけた賊を、関羽は左手で顔を鷲掴みにして持ち上げ顔面を圧殺していく。

 「さるお方からこの者を生かすとの約束だ。漢同士の約束は誓いである。漢の誓いは我が命。その誓いを汚す者には容赦せぬ! 漢道大剣漢者漢撃!」

 関羽は賊を真上に放り投げると頭頂から股先まで一刀両断にし、落下して左右で血しぶきが上がる中、簡擁がちゃんと見ましたよーと言うまで十秒近くポーズを崩さなかった。
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