三国志疾風録
 周倉の目から見て、簡擁は重宝されてるわけでも可愛がられてるわけでもないように見えた。
 
 貴重なるロストテクノロジーの最高峰なのに
 
 嘘か本当か青山の形を変えるだけの破壊力があるというが、実際にどれだけの能力があるかは分からない。
 仮に役立たずだとしても、この外見ならば高く売れる。劉備が挙兵するには十分な金になるはずだ。こんな蛮族が所有してるなんて宝の持ち腐れとしか思えない。
 
 「ふわわわ、すいません見ず知らずの方。関羽さんが襲ってきたら盾になって下さいね」

 「無茶言うな。あの強さに対抗できる術はないわ」

 問題はそこだった。

簡擁を奪うにしても、化物じみた二人が相手では勝ち目がない。
 だがしかし今は張飛がおらず、関羽もこちらに背中を向けて意識的に無意識となっている。
 
 つまり絶好のチャンス
 
 「簡擁さん。あの二人といて幸せなのか」

 返答によって行動が変わるわけではないが聞いた。

 「うーん、ロボットに幸せかと問われても、死ねハゲとしか答えようがないですね」

 「なんでたよ! それにハゲてないだろ!」

 「ハゲは褒め言葉ですよ。あなたとても輝いてるよーって意味なんですから」

 「そうかいそうかい。なら簡擁さん、あんたもかなりハゲてるよな」

 「アトミックボンバー!」

 「ふげ!」

 まともに鼻にパンチをもらい、ちょっぴり関羽の気持ちが分かった周倉だった。
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