ドリームビリーヴァー

3

沙希と初めて会ったのは、小学二年の時だった。

知らなかったわけじゃない。幼稚園も同じところに通っていたし、一年の時だって同じクラスだった。

それに、当時から沙希は日本人形みたいな容姿をしていたから、葉山ではかなり有名だったんだ。

だから、ここでの会ったっていうのは、初めて会話をしたってことだ。

女性専用車両に間違って乗り込んでしまう中年サラリーマンのように、あるいは人通りの多い通りを女装して闊歩している外国人男性のように、人と同じことをしない者が爪弾きにされるのは世の常だ。

僕はそんな小学生だった。

でも、これは仕方ないんだ。生まれてきた環境が悪い。もちろん、葉山が悪いってことじゃない。

まあ、それも「なきにしもあらず」だけど。

悪いのは両親だ。さらにいうなら、教育方針じゃなくて、教育環境がだ。

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