恋をしてみたい



でも…その前に許可を取らないと…。



「先生??ちょっといいですか??」


「リオちゃん・・・いいわよ。さっきの電話,お友達から??」


「はい…あの…」




正直…言いづらかった。
15年間ここに住んできて…初めてこんなこというものだから・・・。
緊張してしまった・・・。



「あの…明日から…友達と1週間…友達の別荘に行きたい…です。」




きっとダメって言われるだろう…。
そういわれるのが怖くて…今まで言い出せなかった…。




「いいわよ!!!中学最後の夏休みだもんね!!楽しまなくっちゃ。あっ…でも,念のため…今から診察してもらおうね。」


「はい!!!」





本当に嬉しかった。
だって…初めてお泊りができる。



私は決めていた。



きっと…きっとこれが最初で最後のお泊り。


だから…わたしはそこで…真奈に全てを言おうと思う。





お別れの前に…ちゃんとすっきりしたい。

だから…せめて真奈だけには言わなきゃ…。






――――――



「100%大丈夫だとは言いきれませんが…無理せずに居れば大丈夫でしょう。毎食…必ず薬を飲んでください。いいですか???必ずですよ。それと…どこに行くにも必ずニトロを常備しててくださいね。先ほども言ったように…100%大丈夫だとは言いきれません。いつ…何処で発作を起こそうと…だれもいえません。わかりましたね??」


「はい…。」





診察に行くたびに思ってしまう。

まぁ…診察に行くんだから…良くなった訳ではないのは当たり前だ。
だけど…怖いんだ。



「いつ何が起こるかわからない」

「いつ何が起こってもおかしくない」


そういわれてしまうのが…


本当に怖くてたまらない。




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