危険な日々
「…いい匂い」


ドキーーンッッ


噂をすれば影


てか、いるのは当たり前なんだけどさ


ゆっちゃんの声に私の心臓跳ね上がる。


無駄に意識しすぎたせいで、


やばい…


私、ゆっちゃんの方、振り向けない。


私は背後にゆっちゃんを感じつつ


キョドりながら


使ったまな板と包丁を洗うために流しに立つ。


……静まれ


静まれーー


心臓静まれーーーっ


特に悪魔になにされた訳でもないのに


鼓動をヒットアップする心臓に


あたしは呪文のように心で呟いた。
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