~私の王子様~
そう思い立ち上がった瞬間。
ピンポーン――
陸さんだ!
と、思い走って玄関に向かう。
扉を開くと「宅配便でーす」とキャップをかぶったお兄さんだった。
「あ、はい…」
ハンコを取りに戻り、玄関に向かう。
ポチッと印を押し、受け取る。
玄関を閉めようとした時だった。
「千乃?」
「へっ…?」
顔を上げると陸さんだった。
「なんだよ、へっ…ってー」
何て言いながら笑う陸さん。
あー、ビックリした。
宅配便のお兄さんと入れ違いで陸さんなんだもん。
そりゃ、驚きます。
陸さんを家に上げ、玄関のカギを閉めたのを確認して、
陸さんの後ろをついて行く。