【短編】俺たちの夏
―――カキーン


この快音を聞くのは好きだ。あくまで自分が打っているとき。


ピッチャーのときは、あの快音を聞くと悔しくなる。失点をすると更に悔しい。
でも、俺はチームのみんなを信じて投げる。信じて投げないと、諒に怒られるしな。

打たれたときは、諒のリードでアウトを取る。


野球をしているときの諒は、普段のアイツの姿からは想像できないほど人が変わる。
いつも人を笑わせて、バカやってるくせに、野球となると表情が引き締まり真剣そのものだ。


チームのみんなが信頼を寄せるのも頷ける。


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