【短編】俺たちの夏
その日の帰り。

俺はいつもと同じように諒と帰った。


「今年こそは予選突破して、甲子園行きたいなぁ。」


最近話すことは、同じ。甲子園に行くことばかり、話している。


「行きたいなぁ…じゃなくて、行くんだよ!」

「なんかさぁ、拓也がそんなこと言うのって傍から見れば以外だろうなぁ。」

諒が笑いながら言うから俺は「なんで?」と言うような顔をした。

「拓也ってさぁ、野球以外のことに関しては興味がないからなぁ。まぁ、そのギャップがいいんだけどね。」

俺は「言われればそうかも。」と言いながらハハッと笑ってしまった。


「要するに拓也は『野球バカ』なんだな!!」

諒がそんなコトを言うので俺は「お前もだろ」と睨んだ。そんな俺をみて諒はまた笑った。


でも、諒の言う通り、俺は『野球バカ』なのかもしれない。
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