紙ヒコーキ
高木君はまた紙ヒコーキをおりながら言う。
「ただ一回だけ、本気で人を愛した事がある。」
いきなり高木君は真剣な表情になった。
正直びっくりした。
「今は?」
「今はべつに。こうしてここにいるじゃないか。その大恋愛は昔の話。」昔の話かぁ。
高木君は中学時代はどんなふうだったんだろ。
「橘は?」

「私?まぁそこそこだよ。あえて聞いてほしくないから聞かないで。」
本当にこんな気持人に言ったら絶対引かれる。
私はめにみえている。

高木君は「わかったよ」と言いながらまた紙ヒコーキをおっていた。
高木君はなにかを感じたのかな?だからわかってくれたのかな。

高木君も本気で人を愛した事があるんだね。
その愛された人はどう思ってるのかな。
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