紙ヒコーキ
私は今までに詰まった涙がみるみるうちに込み上げて来る。

高木君が走ってきた。
高木君が来てくれた。
「橘ー!大丈夫?!」
しゃがんでいる私に合わせて高木君もしゃがむ。「たっ高木君~!うっ~高木君~」
私は高木君に抱き付き、声をあげて泣いた。
高木君が来てくれたおかげで安心したよ。
高木君は抱き締め返し、「栞菜ちゃん、大丈夫?なにがあったん・・・」高木君になら
言っていいのかな。
高木君なら
理解してくれれのかな。
「高木君?」
「ん?」
「わざわざ来てくれたの?」
「うん。おまえが泣きながら電話かけてくるから心配で・・・」
高木君は心配してくれたみたい。
あたりまえだよね。
私泣きながら高木君に電話したもんね。

「おい。橘。類めっちゃくちゃ赤いぞ?!」
高木君は私の類を触って驚く。
高木君にバレてしまった。高木君にはバレたくなかったのに。
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