紙ヒコーキ
「高木君は聞いてくれるの?」
私は高木君の顔を見ながら言った。
「あぁ。おまえが嫌ってほど聞いてやるつもりだよ。」
高木君は少し笑顔で言った。やっと高木君は笑ってくれた。それだけでも嬉しいよ。

高木君の事信じてるから話すよ。
「うちね、シンジが好きだったの。」
私は打ち明けた。
シンジが好きだった事を高木君に言った。
「うん。」
「でも、気がついたら
うち、あいつにいじめられてて、仲がよかった人にもあいつ、あぁでもないうちの悪口言ったり、男子仲間呼んで陰口叩いたり、あつしや颯にも
うちの悪口言ったり、
あいつに今まで本当ひどい事されて来たの。
こんなはずじゃぁなかったのに・・・どうしてもあいつはうちを自由にさせないつもりだったの。
でも・・・うちは・・」だんだん涙がまた込み上げてくる。
やっぱり3年間の傷は思った以上に深かった。

高木君は震えている手を握ってくれた。
「大丈夫だよ。橘。
受け止めてやるから。
ゆっくり話せよ。」
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