Cafe Voyage
“店長見て!!今日公園で咲いてたの”

カウンターに置かれたティッシュをそっと開くと、そこには小さな花びら。

“桜かぁ。狂い咲きかな”

桜の時期にはまだ早すぎる気もするが、ここ数日は随分と暖かい日が続いていた。

でも桜よりも満開だったのは、きっとそれを見つけた時の彼女の笑顔。

“店の前の樹も早く咲くといいねっ”

お土産だよ、と言いながら、灰皿を手に席へと戻っていった。
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