赤眼の黒髪
少女には何も関係なかった。

別にこの町から出て他の町にいけばいいし、もともとこの町には家なんてない。

そしてまたいつもどおりの公園へと散歩をする。

だれかに掃除されたのか前いっぱいあった落ち葉はすっかり全部なくなっていた。

『みなさん早めに避難してください。南の駅の方で大型電車が待機しています』

今度はあのメガホンから聞こえた太い声ではなく、町のあちこちに設置されているスピーカーから出ている女の人の声だった。
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