赤眼の黒髪
『大型電車にはあと数十人の人が・・・・・ガガーッ』

途中で大きなノイズが聞こえてきた。まるで接続部分を切断したような音だった。

『・・・・・あー、あー。あ、つながった』

スピーカーから女の人の声じゃなく少年の声がした。その声は今から悪戯をしようとする悪魔のように、重々しい声だった。

『オレはなるべく人は殺したくない。とっととこの町から出てけ』

そう一言言い残すとブチっと音がした。もうスピーカーから声が聞こえてくる気配はなかった。
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