赤眼の黒髪
そう遠くの場所ではありません。
落っこちた場所は、先ほど散歩していた公園でした。たくさんの落ち葉がつもっていたので少し体がいたいだけで済みました。

少女は体がいたくて立ち上がれないのでゆっくりと身を起こして見ると、そこにはあのビルの姿は跡形もなくただ黄色い煙がもくもくと立ちこめているだけでした。

「げほっ、げほっ」

大きな咳払いが聞こえてきました。黄色い煙の中にうっすらと人影が出来ていきます。

この陰の様子からして若者だということはすぐにわかりました。
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