灰色の虹
───────────────
祖母の葬儀から1カ月が経とうとしたある日の夕食後。
私は父が付けたテレビのドキュメンタリー番組を目にした。
内容は余り覚えていないが、ちょうど同い年くらいの少女がベッドに横になっている自分の祖母へ宛てた手紙を読むシーンであった。
【早く良くなって、長生きしてね!!】
少女はキラキラと輝かせた笑顔を向けて手紙を読み終える。
気付けば冷たいような温かいような物が私の頬を伝っていた。