月と太陽の事件簿4/卒業までに解く問題
そう言って達郎兄ちゃんも頭からタイ焼きにかぶりついた。
やられたチクショウ。
でもタイ焼きおいしーから許す。
「歩きながら食うか」
あたしはアンコの甘い余韻に浸りながら、それに従った。
「達郎兄ちゃんっていつもスーツ着てるんだね」
今日も黒のスーツ姿なのに気付いた。
「婆ちゃんが服装にうるさくてな」
「麻砂お婆ちゃんが?」
あたしと達郎兄ちゃんは母親同士が姉妹という間柄で、麻砂お婆ちゃんは母方の祖母にあたる人である。
達郎兄ちゃんは実家住まいだから、お婆ちゃんとは毎日顔を合わせているはずだ。
「父さんや兄さんの立場を考えて、ちゃんとした服装をしなさいというのが婆ちゃんの口癖だ」
「お婆ちゃんてそんなに厳しかったっけ」
「カホは年に数回ぐらいしか会わないからな」
確かに。今年は正月に会ったきりだ。
「それに家には女の孫がいないから、婆ちゃんはレミやカホなんかには甘いんだ」
「そうなの?」
やられたチクショウ。
でもタイ焼きおいしーから許す。
「歩きながら食うか」
あたしはアンコの甘い余韻に浸りながら、それに従った。
「達郎兄ちゃんっていつもスーツ着てるんだね」
今日も黒のスーツ姿なのに気付いた。
「婆ちゃんが服装にうるさくてな」
「麻砂お婆ちゃんが?」
あたしと達郎兄ちゃんは母親同士が姉妹という間柄で、麻砂お婆ちゃんは母方の祖母にあたる人である。
達郎兄ちゃんは実家住まいだから、お婆ちゃんとは毎日顔を合わせているはずだ。
「父さんや兄さんの立場を考えて、ちゃんとした服装をしなさいというのが婆ちゃんの口癖だ」
「お婆ちゃんてそんなに厳しかったっけ」
「カホは年に数回ぐらいしか会わないからな」
確かに。今年は正月に会ったきりだ。
「それに家には女の孫がいないから、婆ちゃんはレミやカホなんかには甘いんだ」
「そうなの?」