月と太陽の事件簿4/卒業までに解く問題
湯月くんは深々と下げた頭を上げようとしなかった。

一方で、あたしは完全に頭が混乱していた。

「まぁ座れよ2人とも」

達郎兄ちゃんに促され、あたしたちはベンチに座った。

兄ちゃんは真ん中にいたので、あたしたちで挟むカタチになった。

「一体どういうことなの?」

湯月くんが何故あんな手紙を書いたのか?

詳しい話を訊きたくて、湯月くんの顔をのぞいてみる。

しかし真っ赤な顔をしてうつむいたまま、目も合わせようとしない。

仕方ないので達郎兄ちゃんに話を訊いてみることにした。

「順をおって話すとな」

ベンチに背を預けながら達郎兄ちゃんは説明をはじめた。

「まずオレは手紙にヒントが何もないと言ったよな」

うん、言った。

「そこでオレは手紙の差出人を見つける事にした」

あ、ナルホド。解読法を書いた張本人に訊こうってことね。

「手紙が届くのは卒業式の練習がある日だったよな?」

うん、そうそう。

< 39 / 55 >

この作品をシェア

pagetop