お持ち帰りPART3
清算を済ませると、持ち物の確認をしてホテルを出る
泊まらないのはカズキに明日朝一の仕事があるから
鳶職の朝は早い
確か5時とか…
それでもあたしの都合を優先して会ってくれた
「会いたい時はいつでも飛んでいく」と言ってくれてはいるけど、実際そんなワガママはまだ言えずにいる
大体の場所は教えたあたしの自宅も、カズキを上げるのはまだ先になるだろう
いつから堂々と‘彼氏彼女’と呼び合えるのだろう…
「彼女がいい」とは言われたものの、軽く返したあたしは、カズキがあたしを‘彼女’だと呼ぶまで彼女面はできない
カズキだってそうだ
煮え切らないあたしの態度では、どこまで踏み込んでいいのかわからないだろう