紺色の海、緋色の空
「僕ももう近いようだ」

「僕もサ」

「そう言えばクジラの彼女はどこに行ったんだろうね?」

「彼女だけは特別じゃよ」

「特別?」

「ああ。彼女はあまりに長く森の外に出ていたからの」

「そうか」

「じゃあもう向こうの住人に?」

「さあの」

「それは彼次第なんじゃないかな」

「そうだネ」

「ジェシカは?」

「彼女も追々来るじゃろうよ」

「おっといけない。いよいよ僕もここまでのようだよ」

「じゃあまた」

「お先に」

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