紺色の海、緋色の空
エディンバラでシロナと別れてから、いったいどれくらいの月日が流れただろう。

その間に僕は、少しずつレストランに集う動物たちと話し、彼らの声に耳を傾けた。

彼らはひとしきり話を終えると、レストランから姿を消した。

一匹、また一匹と。

僕の中に戻っていった。

だけど、とうとう最後までシロナは僕の前に現れなかった。

いくら待っても現れなかった。

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