紺色の海、緋色の空
僕は機内に持ち込んだ鞄から、イギリスについて書かれた旅雑誌を数冊引っ張り出し、頭から一ページずつ読んだ。
それに飽きると、今度は古本屋で購入した夏目漱石の『倫敦塔』と、コナン・ドイルの短編を二編だけ読んだ。
それでもまだ到着の時間には八時間近くもあった。
途中で機内食が出た。
隣でシロナが興味津々の様子で身を乗り出してきた。
「fish or beef?」
とキャビンアテンダントがにこやかな笑顔で僕に訊ねた。
「beef, please」
と僕は答えた。
シロナは迷わず「fish!」と言った。
それに飽きると、今度は古本屋で購入した夏目漱石の『倫敦塔』と、コナン・ドイルの短編を二編だけ読んだ。
それでもまだ到着の時間には八時間近くもあった。
途中で機内食が出た。
隣でシロナが興味津々の様子で身を乗り出してきた。
「fish or beef?」
とキャビンアテンダントがにこやかな笑顔で僕に訊ねた。
「beef, please」
と僕は答えた。
シロナは迷わず「fish!」と言った。