恋のSEASON

こうなったら校舎探検してやろうじゃん!と踵を返した時だった。



ドンッッ!



思い切り誰かにぶつかってしまった。



「すみません!」



慌てて謝ったら、そこにはべらぼうに顔のいい男の子がいた。

私、こんな人にぶつかってしまったわけ?…得した気分。

思わず顔をガン見してしまった。



「あのさ、俺の顔なんか変?」

不快感を与えてしまったらしい。

「い、いえ!すみません!」

「別に。ね、ところで何組?」



この人、…口調チャラい。



「私、1組なんです。」

「1組?なら向こう側の廊下。ほら、あそこ。」



指の先は、コの字の校舎の向かい側。



「ありがとうございます。」


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