恋のSEASON
「このメモはあなたが?」





いかにもボスちゃんは上履きの色からして、三年生。うしろに構える女子たちの学年はよりどりみどり。森谷さんたち一年生も、二年生もいる。





「あぁ、そのメモは一年生が書いたもの。机に忍ばせたのも一年生よ。」



自分は汚いことには手を出しませんみたいな感じ。あんたが一番卑怯で汚れているように思いますけど?


・・・口には出さないけど。

「で、用件は?」



「は?わからないわけ?」



「・・・。」



「なーんだ。ちゃんとわかってるんじゃない。」





それは比奈子ちゃんが教えてくれたからだ。よかった・・・忠告してくれて。



あ・・・比奈子ちゃん。
食堂で待ってるよね・・・。


「ねぇ?あんたさ、どんな手を使って冬矢さんと夏樹さんと春さんを落としたかはさ、私たちは興味もないわけ。」



「じゃあ何ですか?」



正直、意味不明。

もうお腹すいたし、比奈子ちゃんを待たせているから食堂に行きたいんだけど。


「何、調子乗ってんの?」



「調子に乗っているつもりはありませんが。」



「その態度が調子乗ってんだよ!井上三人様に気に入られてると思ったら大間違いなんだよ!」





ボスが声を荒げた。

あー驚いた。
急に大声を出さないでよ。




「そのスカした態度もうざいのよ!所詮、あんたは井上くん達のオモチャ!ゲームの対象ってだけなのよ!」





なんで私がそんなこと言われなきゃいけないのよ!こっちだって好きで井上ブラザーズに好かれてるわけないでしょ?



う・・・さすがにこんなに罵声を浴びせられたら、私だって強くいられないよ。

でも、こんな輩のせいで泣きたくない。必死に涙を堪えていた時だった。





「ゲームのつもりはまったくないんだけど。」




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