恋のSEASON

そこにいたのは、朝私が廊下でぶつかった人物。



向こうが私を覚えているかは不明だけど、私はばっちり。

普通は忘れられないよ。…悔しいくらいあんないい顔。



私はとりあえず知らぬふりを突き通すことにして、ポストに手をかけた。

別に普段と変わらない動きのはずなのに、今日ばかりはやけに不自然に感じてしまう。



私、変じゃない?




…やっぱり変みたい。
さっきからガン見されてる。



恐る恐る、実は私が見られているってわけじゃないって期待もしつつ、朝の男前に目を向けてみたら…



「あ、やっぱ朝の娘♪」



“朝の娘”とか普通にばれたし、完全に見られてた(泣)



「あー…朝は失礼しましたぁ。」



私は、適度に謝ったらさっさと帰るつもりだったのに…



「待って!」



って腕を掴まれちゃった。いやだー!帰らせて!



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