恋のSEASON
やったー!
お弁当の時間は夏樹くんがいる。



実はさ、教室で食べると女子からすごい目でじろじろ見られて、ひどい時には机を蹴られたりお弁当をミルク並々にされたりしてるの。

そのたびに比奈子ちゃんがキレてくれるけど・・・やっぱりキツくて、あの頃を思い出して泣きたくなる。

慣れてるはずなのにな。





学校に着いて、みんなと別れて教室へ向かう。
その間も女子からヒソヒソ話されて、時には足を引っかけられる。だから、私の膝はアザがけっこうある。お風呂に入ると変色して気持ち悪ぃ。

誰にも言えないけど・・・。




「眞妃琉、おはよう。」



「おはよう、比奈子ちゃん。」



教室に入ったら、比奈子ちゃんがお出迎えしてくれた。



この前の席替えで、私と比奈子ちゃんの席は奇跡的に前後になって、宇巳はかなり遠くなった。

ちょっぴり安心。



「眞妃琉、ちゃんとお弁当持ってきたよね?」



「うん。バッチリ。あ、比奈子ちゃん・・・お弁当の時に夏樹くん来るんだけどいいかな?」



「夏樹さん?いいよ。そのほうが女子からのイタズラも回避できるはずだし。」



「ありがとう。」





それからチャイムが鳴るまで、比奈子ちゃんと英語の予習を見せ合いっこしたりしながら時間をすごしていたら・・・



「愛しの眞妃琉、おはよう。」



宇巳がうしろから抱きついてきた。お国柄ですか?アメリカ式スキンシップですか?



つーか、ウザイ。



「離れて。きもい。ウザイ。」



「うわ、眞妃琉冷たい。でも、眞妃琉が嫌ならやめる。」



宇巳はパッと離れて、自分の席に戻っていった。



なんで中1の私はあんなバカ野郎が好きだったのか、かなり疑問だわ。





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