恋のSEASON
「ひ、比奈子ちゃん?もしかしなくても怒ってる?」


「怒ってないよ。・・・眞妃琉には。」





誰に怒ってるんですかー!?



私は恐る恐る聞いてみた。



「じゃあ誰に・・・?」



「言えない。」



な、何でー!?



「マヒル、あんまり原さんを追い詰めるなよ。」





今まさに「何で」と口から出そうになったそのタイミングで、夏樹くんが言った。



お、追い詰めてない・・・はず。



「比奈子ちゃん・・・悩みごと?」



「違う。親友の独占欲と戦ってるの。本当は誰にも渡したくないよ、大事な私の親友。でも、それじゃ眞妃琉が可哀想だから・・・私に縛りつけちゃダメだから。・・・でも悔しい!!!」



しまいには机をバンっと叩いた比奈子ちゃん。よくわからないけど・・・私、愛されてる?



「比奈子ちゃん、もし私に彼氏ができて、その彼氏と比奈子ちゃんが同時にピンチになったら、私は比奈子ちゃんを助けるよ。私、友情派だから。」



と言ったら、比奈子ちゃんにガシッと腕を掴まれた。



「ありがとう。眞妃琉はやっぱ自慢の親友だわ。」



「比奈子ちゃん、大好きー!」



二人であいだに机を挟んで抱き合った。


それを夏樹くんに引き剥がされた。・・・なんで?



「やっぱ一番の敵は原さんだよ。さっすがダークホース。」



ダークホース・・・って前に冬矢先輩が言ってたような。



「うふふ。私、平気でデート中でもメールとか送りますから。故意的に。」



「原さん性格悪いな。ま、いいや。じゃ、マヒル次の日曜にデートな。」



「うん!楽しみにしてる!」




と言うわけで、夏樹くんとデートすることになったのです。



楽しみだな~・・・。





「おい!俺を忘れるな!無視すんなよ!」



ウザイ宇巳は放っておくことに・・・しましょう。



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