恋のSEASON
「ごめんごめん。なんか、臨海公園向きな格好だな~とかは思った。似合ってるよ。」



正直、面と向かって誉めるのは苦手なんだよな俺。誉められるのも苦手だけど・・・。



「えへ。夏樹くんに褒められちゃった。嬉しい。夏樹くんも私服かっこいい!センスあるよ!」



そう言いながら、照れて顔を赤らめたマヒルもまた、俺と同じく“褒め”ってことが苦手なのかもしれない。


・・・と俺は思いたい。



「サンキュっ。そういえばさ、むこうで何する?なんにも考えてないや。」



計画性のない俺。
ここは俺がプランをたてるべきところかとも思ったけど、マヒルが行きたいって場所を聞くことにしたんだ。



っていうのは女子的にはどう?



「あ、じゃあさ、私アクアミュージアム行きたい。」


マヒル的にはよさそうだから、よしとする。でも、次は頑張ろう・・・。その前に次があるかが問題だが・・・。



「アクアミュージアム?」



ま、次は次。
今は第一回目のデートを楽しむ。



「そう。約束した次の日に比奈子ちゃんが教えてくれたの!」



マヒルはそう言って、持っていた籠のバッグから一枚の紙を取り出した。


どうやら、今から行く臨海公園のパンフレットらしい。


原さん・・・敵なのか、味方なのか読めない。



「ほら、ここにあるでしょ。」



マヒルの指の先に『アクアミュージアム』としるされた建物の絵がマップ上にある。だいぶ奥まったところにあるらしい。



「いいね。そこ行こう。」



ちょっと歩く気もするが・・・
気にしないことにしよう。マヒルが楽しみにしているみたいだし。





< 62 / 98 >

この作品をシェア

pagetop