恋のSEASON
「好きな歌手?」



マヒルの唐突な質問に質問で返事をしてしまった。


余裕ないにもほどがある・・・。



「うん。前に春が夏樹くんはRロックが好きって聞いたから・・・。」



よし、マヒルには気付かれてない。ならいいや。



「春が?確かに好きだよ。ロックバンドなのにバラードが多くて聞きやすいし。」



だからそれがなんだろうか。



「本当に!?私も好きなの、Rロック!」



・・・マジか!!



「まわりに好きな人誰もいなくてさ~。夏樹くんも好きって聞いてなんか嬉しくなっちゃった!」



か、神様~!!



いや、神様なんて信じてないが
今回ばかりは信じる。



というか俺、マヒルに会ってからキャラがおかしくなってきた。



「だよな。あんまりファンいないよな。」



そんな心境を悟られないように返事をする俺。・・・いつかボロがでそうな気もするが、今はでてないからいいや。



「ファンだっていう友達もいるけど、ファンクラブで知り合った人だからな~。このへんの人じゃないし。だから夏樹くんがいて嬉しかったの。」



マヒルは嬉しいことを言ってくれているが・・・今はそれどころじゃない。

誰だ!ファンクラブ友達って!



「マヒル・・・。」



「なあに?」



ここって聞いていいのか?
彼氏でもないのに、詮索してもいい場面?わからない。ま、聞いちゃえ。



「そのさ、ファンクラブで知り合った友達って男?」




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