恋のSEASON
「ふ~疲れた。」





マヒルは海のすぐそばのベンチに座った。俺もその隣に座る。



「久しぶりにRロックについて語っちゃった。楽しー!」



よ、よかった。
俺、今はじめてRロックのファンであったことを誇りに思った。



「俺もだな。つかこの公園広くないか?」



「うん。お腹すいちゃった。」



「んじゃ食うか。」





マヒルが作ってくれた弁当。

これがデートに誘った一番の理由。マヒルの弁当が食いたかったんだ。





パカッ





バスケットからでてきた弁当を開けるとうまそうなおかずが俺の前に現れた。

ちゃんと唐揚げも入っている。



「あんまりうまくできなかったけど・・・食べよ。」



マヒルはお茶を差出しながら言う。そんなことないのに。



「めちゃめちゃうまそうだよ。いただきます。」



おにぎりを一口食べてみた。

具は入っていないのに、塩加減が俺好み。これだけでも食べられる。



「おいしい?」



「うまい。」



「よかった~。」



マヒルは顔をほころばせて、唐揚げを口に放った。


そんな姿もかわいい。
なんて・・・俺は変態か!!




―弁当を完食して(その間Rロックについて語りあった。)アクアミュージアムとやらをまわった。





「もう5時だね・・・。」



「そろそろ帰るか?」



「そうだね・・・。」



二人並んで手をつなぎ駅に向かう。






名残惜しくて歩くのがゆっくりになってしまい俺に、潮風と隣にいるマヒルが使っているらしいシャンプーの香りが、フワッと香ってきた。





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