恋のSEASON
次の日、比奈子ちゃんは10時に私の家にやって来た。しかも、お泊まりセットを持って。





「眞妃琉!お泊まりしてもいいかな?夜な夜な語ろうよ!」



そう言いながら、私の許可なく普通に部屋にお泊まりセットを持ってずけずけと入ってきた。


おぃおぃ・・・。



「はい、飲み物。フ●ンタと100%オレンジジュース買ってきたよ。」



私のお気に入りのソファーに座ってがさがさ音をさせながらレジ袋に入っているジュースを渡す比奈子ちゃん。

どこまでもフリーダム。





「ありがとう。今、コップとお菓子持ってくるね。」




まぁ、フリーダムな比奈子ちゃんをどうにかする余裕はまったくない。

だって、比奈子ちゃんに夏樹くんのこと相談したくてたまらないんだもん。



そわそわしながらお菓子をお皿に移して、私の部屋を見回す比奈子ちゃんのところへ戻った。



「比奈子ちゃん。なんかお菓子持ってきたよ。」



「あ、うん。ありがとう。」




・・・比奈子ちゃん?
なんかいつもと違くないか?


さっきのハイテンションでは気が付かなかったけど・・・
なんかいつもの比奈子ちゃんじゃない。どうかしたのかな?





いつもは強気で明るくてイケイケの比奈子ちゃん。上の空の比奈子ちゃんなんて見たことない。





心配だな・・・。
自分のことなんて、頭から吹っ飛んだ。



「比奈子ちゃん?なんかあった?元気ないね?」






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