only one
「申し訳ありません。バスルーム以外全ての場所が監視カメラか設置されております。
私達が主人と言葉を交わすことも許されてはいないのです。
説明もなしにさぞ驚かれたかと思います。」
丁寧に説明をしてくれた後仲村さんはバスルームの隅に移動して私に背を向けた。
「本来体を洗うのも私の仕事ですが遥夢様は自身で入浴を済ませて下さい。私はここで終わるのを待たせていただきます。」
仲村さんの配慮なのだろう。
この屋敷で私のそばに仕えてくれる人。
私に少しの自由を与えてくれる人だと思った。
私は仲村さんの好意をありがたく感じながらバスルームの隅にいる彼にお湯がかからないように気をつけながら体と髪を綺麗に洗った。
「済みました。」
そう言って浴槽に体を沈め仲村さんに初めて視線を向けたんだ。
くるりと振り向いた仲村さん。
やっぱり似ている。
「もしかして仲村さんは…」
「はい、息子です。覚えていませんか?お小さい頃数回庭で一緒に遊んだことを…。」