only one
「そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ。」
頭の上から降ってくる仲村さんの優しい言葉。
ポンポンと頭を優しく叩かれて私は仲村さんを振り返り見たんだ。
微笑んだまま仲村さんは私の隣の席に着いた。
そしてテーブル狭しと置かれた料理の数々に手を伸ばしたんだ。
お皿に綺麗に盛り付けられた料理。
朝食のための料理だと思えないほどの数とボリュームに私は目を丸くするしかなかった。
「遥夢様はお嫌いな食べ物はありますか?」
私にお皿を差し出しながら聞いてくれる仲村さん。
最初に盛り付けたお皿は白髪の老人の前に置かれていた。
「いいえ。好き嫌いはありません。」
「そうですか、それは良いことですね。」
そう言った後仲村さんは大袈裟に溜息をつきながら話し出した。
「好き嫌いは良くないですよね。旦那様?」