only one

私の涙の原因が仲村さんにわかるはずもなくギョッとした表情で私を見つめる仲村さん。



「どうされましたか？
なにか私が気に触るようなことをしてしまったんでしょうか...。」




必死に私の涙の原因を聞いてくれる仲村さんに私は首を横に振ることしか出来なかった。



俯き自分の膝の上で拳を握りしめたまま震える私を仲村さんは大きく息を吸い込んでからふわりと抱きしめてくれた。



ぬくもりに包まれると涙は更に流れ落ちる。



我慢しても我慢しても涙は止まらなかった。



しばらく仲村さんは私を抱きしめてくれていた。



止まることを知らない涙は仲村さんのワイシャツを濡らしていた。



グズグズと泣き続ける私を仲村さんは抱きしめたまま私の頭を優しく撫でてくれる。





クスッ....


ひとしきり泣いて気持ちが落ち着き始めた頃私の頭の上から仲村さんの小さな笑い声が聞こえてきた。





どうして笑うの？

私があんまり泣き虫だから呆れちゃった？



また不安になった私は止まりかけた涙が溢れてきた。